[東京 21日 ロイター] 日銀の西村清彦副総裁は19日、メキシコシティで行われたCEMLA60周年コンファランスでアジアとラテンアメリカ経済の課題と展望について講演した。日銀が21日、ホームページで発言内容を公表した。

西村副総裁は、アジアで域内の現地通貨建て投資機会が不足しているため、貯蓄が「欧米先進国の債券などにもっぱら投資される」とともに「世界の投資資金の動きにより国内の資産価格が大きく変動し、為替レートのボラティリティが高まるというリスクにさらされている」と指摘。外生的なショックへの耐久力を高めるためにも域内資本市場の整備が重要と強調した。

また、1990年以降の日本の成長率低迷が長期化する主要因である少子・高齢化は、「韓国や中国においても、それほど遠くない将来に直面する大きな問題」と警告。「日本や米国では、人口動態と実質資産価格が連動していた」とし、「中国とブラジルもそれぞれ連動性がみられる。これが両地域の資産バブルの生成と崩壊につながるかは、当該地域の今後の政策に大きく依存する」と指摘した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86K01720120721 ロイター7/21