[東京 3日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は大幅続落した。2日の 米国株が大幅安だった流れを引き継ぎ、寄り付きから売りが先行。米景気減速に対する警 戒感からリスク回避の動きを強め、日経平均は6月28日以来約5週間ぶりに9700円 を割り込んだ。東証1部の値下がり銘柄数は9割超と全面安で、市場センチメントは急激 に悪化している。一方、日銀による為替介入思惑や追加金融緩和期待、指数連動型上場投 資信託受益権(ETF)買い入れ期待などが下支えするとみられている。    東証1部騰落数は、値上がり57銘柄に対し値下がり1545銘柄、変わらずが56銘 柄だった。東証1部売買代金は5926億円。  2日の米国株式市場は大幅続落。米債務上限引き上げ問題の収束を受け、市場の関心は 米景気の停滞にシフトしているという。米国株の大幅安を受けて、東京市場では序盤から 売りが先行した。主力株中心に幅広く売られ、日経平均は約5週間ぶりの9700円割れ。 東証33業種すべてが下落したほか、東証1部の値下がり銘柄数も9割超となり、全面安 となった。  市場では「米景気減速に対する懸念の強まりから、市場センチメントが悪化している。 日銀の為替介入や追加金融緩和策の見極め段階にあり、動きづらい」(岡三証券・日本株 情報グループ長の石黒英之氏)といい、下値を拾う動きは限定された。一方で、前日に日 銀が実施したETF買い入れに対する期待感や為替介入の思惑が、日本株を下支えすると みられている。  テクニカルでは、サポートラインになるとみられていた75日移動平均線(9715円 37銭=2日)をあっさり割り込み、下値を模索する展開。目先は「6月17日の安値 (9318円)から7月8日の戻り高値(1万0207円)の上げ幅の3分の2押し」 (東海東京証券エクイティ部グループリーダーの太井正人氏)の水準である、9615円 近辺が下値めどとして意識されるという。  日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は前日から上昇。日経225 オプション<0#JNI*.OS>のストライク価格9500円のプット8月限は足元で25%台で 推移。9250円のプットの売り買いも膨らんでいる。国内証券の株式トレーダーは「下 値警戒感が強まってきた」と指摘した。  個別銘柄では、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が続落。2日、2012年3月期の連結営業利益 (米国会計基準)予想を従来の3000億円から4500億円に上方修正すると発表した が、今後の同社株価の動きについて「円レートや米国国債の格付けの問題がどう収束して くるかなどの外部環境に左右される」(みずほアセットマネジメント・株式運用部部長の 青木隆氏)と指摘され、不透明な外部要因が重しとなった。  半面、バンダイナムコホールディングス(7832.T: 株価, ニュース, レポート)が続伸し、7月8日の年初来高値 997円を更新。2011年4─9月期の連結最終損益が32億円の黒字(従来予想は 5億円の黒字)との見通しを2日に発表し、上方修正したことが好感された。前年同期 は19億円の赤字だった。

ロイター 転載
 http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK047700120110803